大判例

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東京高等裁判所 昭和49年(ツ)1号 判決

原判決が適法に認定した事実によれば、『被上告人は売主側の仲介人、買主側の仲介人は上告人であったが、上告人代表者鈴木は、被上告人から売主開原に対する報酬金の取立を委任されたことがなく、そのための代理権を授与された事実がないのに、その情を知らない開原に対し、「木内光夫さんは本日風邪で来られないが、木内さんから本件仲介の報酬として三〇万円を受け取るように任かされている」などと告げて同人から被上告人に支払うべき右売買の仲介報酬金として金三〇万円を受領したのであるところ、右の事実関係から考えると、上告人代表者鈴木としては、その内心の意思(真意)がどうであったにせよ、右のとおり被上告人から報酬金の受取方を任かされているといってその情を知らない開原から右の報酬金として金三〇万円を受領したものである以上、被上告人の開原に対する報酬請求権の存否いかんにかかわりなく、その表示した意思どおりの効果、すなわち、右鈴木としては、被上告人のために右金員を受領したという効果を生じるものといわなければならず、したがって、また、この限りにおいて被上告人に対する関係では、いわば準事務管理が成立したものと解するのが相当であるから、上告人は、これによって右金員を被上告人に引き渡すべき義務を負うものというべく、したがって、上告人に対し右金員の支払を求める被上告人の本訴請求を認容した原判決の判断は、結局、このような法的観点からしても、これを是認することができる。

(畔上 上野正 唐松)

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